山崎 豊子
新潮社
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新潮社 (2011-06-01)
売り上げランキング: 3,205
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※今でも、小倉氏を知ろうと、多くの方にこのページに訪れて頂いています。しかし、学生時代に書いた文章があまりにも稚拙なので、一部直させて頂きました。
本書は、涙なしにページを進めることは難しく、読み物としても純粋に面白い。
また、それだけでなく、読者は多くのことをこの書物から学ぶことができるだろう。
"沈まぬ太陽"は、実際にモデルのある話だ。
そして、この本の主人公の恩地元のモデルは小倉寛太郎氏だ。
http://minseikomabahongo.web.fc2.com/kikaku/99ogura.html
小倉寛太郎氏や、当時のJAL、御巣鷹山事故について知ると、"沈まぬ太陽"が相当な取材をベースに書かれたことがうかがえる。
また、小倉寛太郎氏について調べると、多才で好奇心の強い人物であることを伺わせる。
彼の多才さは、アフリカに転勤命令を貰った結果、アフリカの野生動物に詳しくなり,ブルーバックスから本を出してしまうことからも伺い知れる。
小倉 寛太郎
講談社
売り上げランキング: 127,499
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この本には色々と感じることが多い.
まず、小倉氏の人生模様からでもるが、この時代の人々のバイタリティの高さを改めて伺わせる。
青春時代を焼け野原の戦後で過ごした人間だからか,大学生活時代をみても,すべてをゼロからつくることに非常になれている。
これは,改良はできても創造は苦手と揶揄される,私たちの世代と違うところだと思う。
そういった我々の世代への観念は単なる被害妄想かもしれないが,私が出会ってきたこの時代の多くの人々からは,このようなバイタリティの強さを感じてしまう。
しかもそれは,うまく言えないが,自分の知識外のこともなんとかこなしてしまおうという,大雑把ともいえるような少し今の時代とはことなるバイタリティの強さをもっているイメージがある。
ただの想像かもしれないが、やはり戦後という要素は大きいのだと思う.
180度ともいえるほど大人たちが作ってきた価値観が変わり,権力者に対する懐疑心をもち、ゼロからまた作っていかないといけなかった時代でもある。
そういった要素が後に学生運動へとも通じていったのだろう。それは,敗戦国として,当時の世界情勢を考えると致し方ない道だったのかもしれない。
政府と企業
この本を読んでいると半官半民の日本航空のイメージは最悪だ。
民営化が全て良いとは考えないが, 日本航空が官僚や権力者の利権に使われていたイメージを拭うのは難しい。
もちろん,本書の内容が全てではないと思うが。
しかし,現状の労働組合とかはいったいどうなっているのだろうか?
wikipedia日本航空労働組合
(2012年も自主系の組合が複数あるようです。)
とにもかくにも,日本の半官半民には良いイメージは少ない。
日本の郵政が最近ではそうだったろうか。結局一度国で始めた事業は,色んな人の利権が絡んで,抵抗にあって,政党や内閣が変わり途中で方針が切り替わり,経営云々より,自分達の利権確保に使われてしまっている現状から脱するのは難しいだろう。
政治家に優秀な人間はいても,優秀な政治家集団はない。と改めて考える。
日本航空は現状は知らないが,"沈まぬ太陽"の当時は政治の場に近い印象を抱く。
しかし,少しは変わっていて欲しいが, 日本航空四乗組合のホームページには2000年当時の以下のような会議の内容が出されている.
http://www.jalcrew.jp/jca/public/taiyou/asahi-shintyou.htm
(上記のリンクはリンク切れで飛べません。JALも稲盛氏などによる経営再建など、多くのことをまた経験してきました。今現在どういった企業になったのでしょうか?)
事故と技術者
御巣鷹山編は涙なしに読む事はできない。
こんなに泣ける本は、久々だった。
亡くなった521名の方の遺族のことを思うと、無条件に今の幸せをかみしめてしまう。
ご冥福をお祈りします。
特に,事故後の御巣鷹山の状況はYou Tubeでも見れるが,かなり衝撃的すぎる.
事故の原因には、様々な疑問点や懐疑点を主張している情報がある。
色んな俗説も出ているため,果てには,誤ってアメリカ軍の演習の標的となったのではという話まで出た。
標的の話は,可能性としてはほとんどないらしいが,他にも疑問視されているのは、酸素マスクの装備なしに,急減圧に対して何故意識を失わなかったのか,海の捜索に何故力をいれなかったのかといった話は出ている。
アメリカのボーイング社の早期の対応は自分たちの飛行機を守るためであることは明白だ。
しかし、事故に対するアメリカと日本の考え方や対応の違いも気になる.
よく分からない部分も多いが、日本の航空産業の遅れも、そういった悪い立場に日本をしてしまっている部分もあると思う。
また、将来、何かしらのエンジニアになりたい私にはこの事故を知って非常に勉強になった。
命に関わるような製品を作るか分からないが,エンジニアは自分たちの行為に責任をもたなければならない。
小倉寛太郎
http://minseikomabahongo.web.fc2.com/kikaku/99ogura.html
会社に長年いながら,仕事とは遠い人生を送ってきた、小倉氏。
確かに極端な人生ではある。
上記リンクの最後の,親から,体験から,東アフリカから学んだ事は是非一読して欲しい。
また最後には,”東京大学で学ぶこと、学んだことは、国民のために還元するんだという観点をぜひもっていただきたいと思います”と東大の学生に語っている.
私は東大生ではないが,高い教育を受けた人は,その分何かしら社会に還元する必要があるとやはり思う.
それは,どんな形でも集団の利益になれば良いのだろう.
実はそれは何を利益とするかと難しいところなのだが,自分の利益だけにこだわらない生き方をしたい.
(学生時代の感想を読み返すと恥ずかしいものです。今では、小倉氏が東大で講演を行った上記のリンクを読んでもかなり異なる感想をもちますが、内容の本筋はあえて修正はしませんでした。)