2012年8月25日土曜日

iPhoneアプリの31種類のサンプルコード

iPhone SDK アプリケーション開発ガイド
Jonathan Zdziarski
オライリージャパン
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始めたばかりですが、iPhoneアプリを開発しています。

おおよそ、基本的な所を理解したら、開発したアプリのソースコードを見ながら学ぶのが一番いいのですが、なかなか良いサンプルにあいません。

そんな中、以下のサイトでは、31種類のアプリのソースが公開されています。
appsamuck

初心者には勉強になります。
ただ、少し古いのが否めないですが。

ご参考にどうぞ。

2012年8月16日木曜日

はじめてのプロジェクトマネジメント

はじめてのプロジェクトマネジメント 日経文庫
近藤 哲生
日本経済新聞社
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Amazonの書評では、初めてプロジェクト・マネジメントを考えるには良いとの評価が多かったのでこの本を読んでみました。


今回は、簡単なメモとして記しておきます。

・著者は、”犠牲者を出さない”、”全員が輝ける”というプロジェクト運営を非常に重要視している。

・著者は、艦船の搭載システムの開発に従事していた。プロジェクト運営としては、実践を通して確立してきた手法。

・プロジェクトはメンバーにとって、パンのために働く場でもあるし、人生の喜びを得る場でもある。

・プロジェクトマネージャーは責任を一人で負うことではなく、周囲に支援を要請すること。

・自分の言葉で成功に向けた信念や思いをメンバーに語り、”同志”を発掘すること。

・WBS: Work Breakdown Structure

・PERT図: Program Evaluation and Review Technique Chart

・"アバウトな計画はプロジェクト失敗への第一歩"(次にも活きない)

・計画のウソはまた、次へのウソを呼ぶ。そして、上司はマネージャーを信じなくなる。

・成功と失敗の判定条件を明確にしておく。

・PRP(プロジェクト計画再設定)をして、メンバーのモチベーションもあがる。

・最初に作られる計画は、多くの場合、現場を知らないものによって作られる。

・プロジェクトマネージャーは幹部にPRPした計画を説得させないといけない。

・課題はシェアした方が効率がよい。

・問題解決型組織の重要性


・DPM(プロジェクト意思決定会議)。全員で議論し、プロジェクトマネージャーが即決するが原則。

・設計現場では問題が山積みで、設計者が身動きできなくなる。

・安心して問題提起ができる環境作り。”事故の少ない現場は、事故がきちんと報告できる現場である。”

・使う人が作る人が協働して仕様を確定する。

2012年8月15日水曜日

I'd hate to die twice. It's so boring.

ファインマンさんは超天才 (岩波現代文庫)
C.サイクス
岩波書店
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ファインマンさんは超天才
クリストファー・サイクス
岩波書店
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知っているようで知らなかった、ノーベル物理学賞を受賞したリチャード・P・ファインマンについての書籍。

彼の書籍は多く出ていますが、この本は、本人や関係者の様々なインタビューや記録を通して彼の生涯を見ていく形式になっており、第三者的な視点になってファイマンを見ていくことができて、非常に愉快な本です。



彼はどんな人間だったのか。彼の死の間際に発した言葉に全ては集約されています。

末期のガンを宣告され、自分の余命が後わずかである事を知ったファイマン。死期が近づくにつれ、意識不明な状態と意識が戻る状態とを繰り返していました。そんな時期、意識が戻った時に彼が最後に発した言葉です。



"I'd hate to die twice. It's so boring."
(2度死ぬなんて、まっぴらだよ。全くつまんないからね)



仕事や人生を楽しみ、徹底的に興味あることを探求していくこと。それが彼の生き方でした。死はそんな彼にとって、退屈な仕事だったのでしょう。そういった、ファイマンの一貫した生き方は様々な重要な仕事の断片にも伺うことができます。

・ノーベル賞受賞の研究のきっかけ

 ファイマンは当初、自分の研究がうまくいかずウツ気味だったとインタビューで答えています。実際に問題を考えてみても、前に進めない。そんな状態がずっと続いていたのです。研究をしているとよくあることですが、あのファイマンもレベルは違えど、そういった壁にぶつかっていたのです。しかし、周りはそれとは違い、ファイマンを高く評価し、より重要なポストを用意すると、ファイマンに対してオファーが飛びかっていました。(一層、それがファイマンを当時苦しめるのですが。)

 そんな時に、ふとファイマンは思うのです。自分が今まで得てきた物理学の結果は、自分が純粋に楽しんでやってきたものだと。今後も、周りが期待するような対した仕事ができなくても、自分がただ楽しんでやっていればそれでいいじゃないか。と、ある意味開き直るわけです。そして、ウツ気味な研究分野を少しずつシフトしていくのです。

 しかし、これがうまくいってしまうんです。”こうして昔のようにのんびりと遊び続けていると、まるで瓶の栓でも抜いたようにすべてがすらすらと流れ始めた。そして、まもなく後のノーベル賞受賞の基礎になった仕事をやり遂げたわけだよ

 楽しいことを仕事に。とは、本当に色々な人がいうことです。ファイマンもまた、”楽しい”が様々なことにおいて活力だったようです。

・手術の間際に解く二次元弾性論

 ガンを宣告され、手術が間近に迫ったある時期。ファイマンの共同研究者のデービット・グッドスティーンは二人の論文の反論に対応するために、ファイマンに計算の依頼を行いました。手術前にもかかわらず(死のリスクを伴う手術だったと書いてあります。)彼は、その日の一日中を、計算のための時間としてあてがいました。
 
 デービット・グッドスティーンは彼の仕事を見ながらこう思ったようです。"彼は今奈落に面しており、今週一杯を生きぬけられるかどうかさえ覚束ないというのに、生死にかかわりもないこの二次元弾性論などに夢中になってるとは!"。

 もちろん、ファイマンも手術の不安はあったと思いますが、彼の仕事への向き合い方が分かる一節です。

・原子爆弾の作成

 彼の仕事に対する”楽しい”は、様々な場面でもたらされていますが、最も有名な仕事としては、原子爆弾の作成に携わっていたことだと思います。当時の科学者らのインタビューは非常に興味深いです。
 
 多くの科学者は、爆弾作成時には、ひとつの目標に向かって、全力で仕事を成し遂げていた様子が分かります。彼らは、知的興奮として、原子爆弾の作成を楽しんでいたように思えます。しかし、作成できた原子爆弾の結果を見て、彼らは180度変わっていきます。悲観的になり、世界破滅論を唱える科学者も出てきました。

 センシティブな問題ですが、”楽しむ”を信条にしていたファイマンも、ここでは自分達が何をしようとしてたのか、考えるべきだったかもしれない。と述べている部分もありますが、最終的に、彼は”積極的無責任”という立場をとります。ファイマンらしい生き方です。(個人的には、原子爆弾作成に携わった科学者をせめても仕方がないでしょう。それは、歴史的に必然として生まれるべくして生まれるものなのでしたから。彼らが携わらなかったら、別の誰かが間違いなく原子爆弾を発明したと思います。)


他にもファイマンの生き方が分かる、ファイマンらしい仕事は多くあります。チャレンジャー号の原因追求の仕事に関しても、僕は一読の価値があると思います

ファイマンが多くの仕事や趣味を楽しんでいたことはよく分かりました。あのスティーブ・ジョブズも、”楽しいを仕事に”と述べていました。

最後に、彼らのすごい所は、”楽しい”から、世間が認める”結果”として、世の中に形として出していることです。色々な制約事項がある中で、”楽しい”をモチベーションにして、しっかりとした目に見える”結果”に結びつけるのは、そんな容易いことじゃないと思います。その辺り、彼らは楽しむと同等に、重要なファクターを、無意識的かもですが、知っていたのではないかと思います。彼らの人間力に脱帽し、それに少しでも見習えるところがあればと思います。どうすれば、そういった成果まで結びついていくのか、少しずつ紐解ければと考えています。

2012年8月6日月曜日

確かに。放射線科医はおもしろそうだ。


だから放射線科医はおもしろい! 電子書籍アプリ版 App
カテゴリ: ブック
価格: ¥1,000


健康で周りに病気の方もいなければ、”放射線科医って何?”という方もいそうだが、そういう人でも読める本です。

この本は以下のことを知るのに良い本です。

・放射線科医について
 放射線科医がドクターズドクターと呼ばれる理由。放射線科医を見直すのに非常に重要な本だと思います。また、日本の放射線科医の実情も分かります。

・米国の放射線科医の実態
 米国の遠隔画像診断の実態。また、年収1億円といわれる、米国の放射線科医事例を知るには、分かりやすい本だと思います。更に、遠隔画像診断の安全に関する取り組み” Patient Safety”に関する活動などは、多くの人が知りたいところだと思います。

・日本の遠隔画像診断の実情
 日本の遠隔画像診断でのリーディングカンパニーといわれている株式会社ドクターネットの創業をされた著者による日本の遠隔画像診断の実態を知ることができます。日本では、”放射線科医=勤務医”という常識だった時代に、変化をもたらしたようです。

・画像診断の国際化へ
 米国、日本という実情を読めば納得するように、今後は画像診断に対して、ひとつの大きな国際化の枠組みができていくであろうことが分かります。その辺りに関しても、簡単に言及されています。

 日本の医療崩壊に対する言及もされていますが、これに関しては本ブログで紹介した、改革のための医療経済学 Health Economics for Reform 兪 炳匡に詳しいです。

 
本書を読んでいると実感しますが、医療画像がデジタル化し、クラウド化が進むにつれ、遠隔画像診断により医療の世界が大きく変わっていることが分かります。

著者が提案する、”顧問医”の仕組みでは、早期診断できる状態を作りあげるのがひとつのキーだと思います。クラウド化や医療画像の標準化が進みつつある今では、今後より障害が少なく、なおかつ低コストで画像をとれるデバイスやモダリティの進化も重要となるのではないでしょうか?

体内の見えなかったものが、以前より低侵襲で簡単に見えるというのは、一人の健康だけでなく、社会システムも含めて大きな変化をもたらすことなのだと、改めて実感させられました。