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ユダヤ人の慣習、思考を知ることで、自分達の人生へのヒントやアイデアをもたらしてくれる本です。
何らかの示唆がほしい時に、ふと手にとって読んでみることをオススメします。
何故ユダヤ人は成功するのか?
”世界の人口に占めるユダヤ人の比率は・・・わずか〇.〇二%にすぎないのに、フォーブスの世界長者番付トップ四〇〇では一〇%以上、フォーチュンの世界の巨大企業五〇〇社のCEO(最高経営責任者)のリストでも一〇%以上、ノーベル賞受賞者に至っては三〇%がユダヤ人だ。”(本書より)
何故、ユダヤ人は成功する人が多いのでしょうか?
その答えは、彼らの聖典「トーラー」の教えの中に隠れていると著者は言います。
この本では、その「トーラー」の内容と、実際のビジネスマンの成功や失敗経談を、照らしあわせて、ユダヤ流の成功方法を説明しています。
いくつか、気になった部分をまとめておきます。
葦の海の奇跡
エジブトを脱出する時の、有名な海が割れるシーンの話です。
エジプト人が迫っている恐怖に対して、恐怖に飲まれずに、どのように対処するべきかを示唆しています。
キーワードは、自己破壊、逃避、戦い、学習性無力感(他人に頼りたいという衝動。心理学の言葉)。そして、前進です。
特に、”戦い”と”学習性無力感”は個人的に、勉強になりました。本当の顧客を見失い、間違った戦いを挑んでしまった、レコード業界。何もせずに運に身を任せてしまおうとする、学習性無力感。”状況は考えるものではない、自分で創りだすものだ。”
無意識にそういった選択をしていませんか?
内なる意思
似たような考え方は、様々なビジネス書で語られていますね。外的要因ではなく、内的要因から自分の軸となる仕事を考えろ。ともいえるかと思います。
本書では、”魂”という言葉を使っているのが、新鮮でした。
事例では、ウォール街からビール作りに転身し、また金融の世界に戻った男性の話が印象的です。
謙虚さ
”わたしだけ、わたしのほかにはだれもいない。わたしはやもめになることもなく、子を失うこともない。”
自分しか見えていない人になっていませんか?
説得
・問いかけ → 良い結果につながるか → 方針にそっているか?
・相手の問題を解決しているか?
個人的に苦手な分野なので、覚えておきたいと思います。
失敗
”魂の精査”という言葉が、本書では出てきます。印象に残った言葉です。
毎日、最低でも週に2回行うとよいとのことです。
失敗をもたらした、行動・考えを見直し、建設的な考え方や行動へと結びつけていく。
発生した現象や行動に対して、熟考することで、見えていないものを見つけるイメージでしょうか?
また、失敗についての対応をまとめています。
・ミスを認めること
・ミスの責任をとること
・考え方の間違いを認識すること
・自分と周囲に対して誤りを認めること
・二度と同じ失敗をしないことを誓う
また、このように失敗をきちんと認識すると、究極的には失敗がなくなる。といいます。
これは、失敗をしなくなるのではなく、失敗が成功に導いてくれる。ということです。
こういった、”失敗は成功”のもと。という考え方は一般的です。
しかし、毎日、失敗を熟考すること。となると、なかなか難しいのではないでしょうか?
日々の中で、失敗に対して思考すること。の重要性を認識させられた気がします。
感謝
ユダヤ教徒は、日々の祈りの中で感謝をしている。感謝のポジティブな力が日々の生活の中で重要な要素となる。
また、ネガティブな気持ちに対抗するために、「Xが起こってほしくない。」と考えるのではなく、「Yが起こることを望む」とかんがえることを、推奨しています。
これは、前述の学習性無力感に似ている気がしますね。
抽象的な部分ばかり、あげてしまいましたが、本書は具体的な事例がそれぞれに散りばめられています。しかも色々な視点で書かれているので、是非、手にとって読んで欲しい一冊です。
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