プラスチックは種類が多いので、全体像を掴みにくい材料ですが、基本的な分子構造が似ているたりするので、基本的なところから抑えていくと、全体像がつかみやすいと思います。
まずは分子構造から理解する!
①主鎖構造について
まず、熱可塑性樹脂は、糸状の高分子(糸状高分子)の集合体からなります。
しかも、基本的には主鎖に炭素をもち、その他の分子がどのように含まれているかによって性質が変わり、色々なプラスチックの種類に変わっていきます。
最も単純な分子構造がポリエチレンで以下みたいにかけます。
シンプルですね。
こういう分子構造をした、糸状の高分子が連なり、ポリエチレンになります。
基本的には、この主鎖構造が強いと、分子構造が動きにくくなり、耐熱性、強度、耐溶剤性などが増します。
覚えておきましょう!
一般的に、主鎖構造が強いと、耐熱性、機械的強度、耐溶剤性が高くなる!(そして普通コストも高くなりがち。)
言い訳しますが、あくまでも一般的に。です。
もちろん、分子構造が動きにくいということは、流動性も悪くなるでしょうから、成形も難しくなりやすい、方向にいくのでしょう。
例えば、こちらのページにあるように、
ポリエチレン(PE)、ナイロン6(PA6)、PEEK、などで分子構造が大きく違うのが確認できると思い、コストも強度や耐熱性も全然違うよな〜と。認識されるかと思います。
②結晶化度について
連なると単純に書きましたが、この連なり方つまりは、結晶化度も重要です。
最も単純な分子構造をしたポリエチレンでも、結晶化度によって機械的特性が変わってきます。炭素と水素が結合しているポリエチレンは、下の図の軸方向からみると、水素がバンザイして更に、両足を広げたとうな形になります。
その形をした時に隙間をきとんと埋めてやるように、分子構造が連なることで、結晶化度をあげることができます。
こちらも、分子が動きにくくなる要因となります。
以下のことを覚えておきましょう!
一般的に、結晶化度が高いと、耐熱性、機械的強度、耐溶剤性(少しだけ)が高くなる!
また、結晶化したプラスチックは、光が錯乱しやすくなるため、不透明になる特性があります。(結晶化といっても60%程度が限界なようです。)
結晶化のしやすさは、分子構造の規則性などにもよって変わり、結晶化を進めるために結晶核剤を利用したりします。
また、非結晶な樹脂でも不透明になってしまう樹脂があります。それが、ポリマーアロイです。2つ以上のポリマーを混ぜたもので、界面がはっきりしているため、結晶化したプラスチックより不透明性が高いとわれています。
③その他特性で大事なこと
1,プラスチックの強度をあげるために、フィラーなどを入れたりする。
2,プラスチックの特性を変えるために、違うプラスチックを混ぜたり(アロイ)します。
3,添加剤などを加えたりして、用途に応じたプラスチックを作成している。
すごい飛ばしましたが、こんなところでしょうか。
ここまでで、なんとなーく、プラスチックの主な特徴となる部分を掴んでもらい次からは大まかに材料を追っていきます。
次回は、オレフィン系プラスチックを学びたいと思います。
岩野 昌夫
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