2017年12月3日日曜日
イーロン・マスク 未来を創る男 を読んで
断片的なセンセーショナルな記事でしか、知らなかったイーロン・マスク。
そんな彼をきちんと知るのに良い本です。
どういった流れでスペースXやテスラ、ソーラーシティの事業に携わったのか、知らない方多いと思います。
また、何故、宇宙やエネルギー分野に挑戦するのか?
彼なりの哲学や生い立ちを理解すると、彼が進もうとしている方向が分かります。
ものづくりの姿勢も、エンジニアとして見習う部分が多いですよ。
いくつかメモを残します。
”テスラはディーラー網を持たず、ウェブで直接販売する。・・・販売後の保守点検で儲けるようなビジネスモデルは考えていない。”
→素晴らしいですね。でも、まだ、テスラの収益モデルは構築段階という理解で良いんですかね?スマートモビリティやエネルギー産業などと呼ばれる切り口で、収益を得る方向に舵を切っていくんでしょうか?
このまま赤字続きで終わらないで欲しいです。
”彼はヒューズやジョブズとは比べものにならないくらい壮大な目標を持っているようだ。航空宇宙や自動車のような、すでに米国があきらめかけていた産業にあえて打って出て、これまでにない素晴らしい産業に再構築しようとしている。”
→厨二病と言われそうなアイデアを実現してしまう所が、彼の強みだと思います。
特にハードウェアが大きく絡む部分で、ここまで差別化し挑戦しているのは勇気がわきますね。
是非、今のプロジェクトもビジネスとしても成功して欲しいです。
”厳しい危機に見舞われても集中し続ける能力は、たしかにマスクの強みに違いない。
「普通の人間ならば、あれだけのプレッシャーにさらされたら、どこかで判断ミスを起こすでしょう。イーロンはそんな状況でも明快で長期的な意思決定が下せる人間でる。難しければ難しいほど、彼は力を発揮するんですよ」”
→プライベートも含めて、マスクみたいな人生を耐えることはできないと思います。
”(ダイムラー幹部の)訪問前に、試作車2台を完成させてダイムラー幹部らを驚かせてやろうと考えた。訪問当日、何も知らない幹部らは、テスラでこれから話し合うはずの「AクラスEV版」を目の当たりにし、バッテリーパック4000個を即座に注文した。後にトヨタにも同様の”歓待ぶり”を披露し、契約を獲得している。”
→こういう職場羨ましいわ。
”大手ならアルファ版で200台、さらにベータ版になっても数百〜数千台を使う。それがテスラでは15台ほどで衝突試験からインテリアデザインまで終わらせてしまうのだから、信じられないのも無理はない。・・・
いちいち会議を開いて、何の代替案もないまま問題点を報告するよりは、優秀なエンジニアがその場で対処したほうが話は早いのである。”
→これは良し悪しあると思うけど、そういうスピード感や、それで完成車を市場に出した力はすごいと思います。
”『物理学のレベルまで掘り下げろ』”
→個人的には、一番ぐっと来ました。
”(ギガファクトリーについて)そんなことは電池メーカーがやればいいんだから、くだらないアイデアだとね。でも・・・どこも数十億ドルを投資する気はさらさらないと言っている。・・・自動車メーカーは電池の大量購入を保証しない。だから電池メーカーはこれ以上作れない。つまり自前で作らなければ、十分な量を確保できないできないんです。”
→電池産業を制するものが、今後のビジネスを制しそうですね。
”欧州も日本もロシアも中国も人口構造の内部崩壊に向かっている。・・・優秀な人々も子供を持つべきだと言っているんだ。少なくとも人口置き換え水準は維持しないと人口は減るばかりだからね。特に優秀な女性たちがまったく子供を産まないか、産んでも1人なんだ。そう聞けばとんでもない危機であることが分かるでしょう?”
→子供好きの一面もあるようです。
また、人類を存続させるという課題認識があるので、人口構造の問題も気にしているみたいです。
”本当に「たゆまぬ追求」という言葉が似合う人物との思いをあらためて強くした。しかも、その追求の精神は、我々の想像をはるかに超えたレベルなのだ。ここまで熱い思いで何かを追い続ける人を私は見たことがない。”
→普通は無理な解決策だと思ってしまうところを、可能にしてしまいますよね。それに、前人未到の数と規模の新規事業創出者。技術的にもビジネス的にもハードルの高いものに挑戦しいくつかの成功を得ているのが本当にすごいところです。
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