2011年6月6日月曜日

人生論 レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ




友人の薦めで、トルストイの人生論を読んだ。

僕が思想書を読むのは、実はニーチェのツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)以来だ。


なので、どうしてもニーチェと比較してしまう。個人的には、ニーチェは個人主義的な人生観を語っている印象をもっていたので、トルストイの"自分以外のすべての幸福を願う"と語る人生論は、それと対極に位置するように読み始めは考えていた。しかし、途中からは両者は両立できる考えなのでは、と感じた。

僕が、哲学や思想を語るレベルでないのは明らかなので、深くは語らないが、トルストイの人生論という本が、想像以上に心に染み、そして心を温めてくれる本であることは確かであった。

本自体は、結論が分かりやすいので、読みやすい。また、以下のブログが個人的にはおもしろく、よくまとまってます。



気になった文章のピックアップ

こうして人は、魂を引き裂くような恐ろしい疑問をかかえたまま、世界じゅうで一人ぼっちなのを意識する。それでも生きてゆかねばならない。
一方の自分、すなわち彼の個我は、生きてゆくことを命ずる。
が、もう一人の自分、すなわち彼の理性は言う。「生きてゆかれない」

人が何故自ら死の道を選ぶのか。個人的に感慨深い。

自分一人が幸せになるために生き、行動している。自分一人が幸せで、楽しくあり、自分には苦しみや死がないようにするために、すべての人やあらゆる存在が生きて活動してくれるように、望んでいるのである。

トルストイのいう動物的個我の欲求に、満足する人間になるのではなく、人間のもつ理性が何を求めるかを考えればいい。

では、どうすればいいか。動物的個我を否定し、真の愛をもって、他人を愛することだ。と語る。

最後に。

現代社会で、具体的にどう生きればいいか、残念ながらピンとこない。ガンディーのように生きることなのだろか?ベジタリアンはより、トルストイの語る人生観に近いだろうか?

何はともあれ、心の片隅には常に置いておきたい。そう思う一冊だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿