フリー<無料>からお金を生み出す新戦略.を改めて読んだ.
少し話題としては古いが,今まさに現在進行形で起こっている多くの問題を包括している議論だと思う.もともと,無料のビジネスモデルなんて古くからあったじゃん.と,一言でくくってしまう人は,この本を改めて読んで,考え直した方が良い.著者が言うように,”二十世紀にフリーは強力なマーケティング手法になったが、二十一世紀にはフリーが全く新しい経済モデルになるのだ。”
ビットの世界では,アトムの時代に努力の対価として貰えた報酬は,ビットの力により時に0となる.もちろん,フリーにもコストはかかるが,そこから生まれる新しい価値には,アトムの時代では不可能だったものを提供し,それに見合った報酬を得るすべが存在することも時にはある.
そこで,そのフリーの世界が人の仕事を奪って,全体的には人類全体の仕事量を少しづつ減らしているのか,気になるところではあるが,フリーに驚異をさらされている既存の業界はどうするべきなのだろうか?フリーと競争するべきなのか?それとも,既得権益を守る法を武器に自らを保護すべきなのか?日本の場合,後者の事例が直感的には多いような気がする.どちらにせよ,ビットの時代にそんな手法が有効に機能するといった考えは早々に捨てた方がいいだろう.ビットの力に逆らうのは,物理法則に逆らって,生きようとあがえているようにしか,僕には思えない.それだけでなく,新たなチャンスを逃しているだけだ.そこで,思い出すのが,去年の年末に読んだ,この本だ.
小飼弾の仕組み進化論
ここで,紹介されている”本当の20%ルール”を読むべきだ.Googleは,自分の普段の業務のうち20%を他の全く関係ない業務に与える.つまり,5日勤務であれば,1日は普段の業務と違うものを行う.これは,検索による安定した広告収入が得られる,Googleだから可能なことかもしれない.しかし,そのGoogleでさえ,様々な洗練された無料サービスは生み出すものの,新たな画期的ビジネスモデルが提案された訳ではない(たしかに,多くの無料サービスは広告収入をアップしていると予期されるが).
過去から永劫に続いてきた事業の形態が目まぐるしく変化する時代に,私たちは,必死に新たな”仕組み”を探さないといけない.既存の事業がいつまでも,そのモデルで稼いでいる時代は終わってしまった.少なくともビットの世界の変化は,目まぐるしく変わっていく(Googleでさえ,Facebookという新たなベンチャーを無視できない).そして,その影響は多いにアトムの時代の事業にも影響を与えている.これからは,良い仕組み作りが重要となっていくのではないか.
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