2013年10月21日月曜日

モード解析ってなんだ?って人のための固有値問題と振動モードについて その3

モード解析入門
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長松 昭男
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前々回は固有値問題を扱いました。
ある正方行列Aに対して、向きを変えずに大きさしか変えないベクトルである固有ベクトルが存在することが分かりました。

前回は、正方対称行列を用いて、一般化固有値問題について学習し、一般化固有値問題と通常の固有値問題が同質であることを示しました。

また、重要な性質として、固有ベクトルが、N次の場合は、N個の固有ベクトルが存在し、これらのベクトルは直行するということを覚えておきましょう。

さて、やっと物理の話に入っていきましょう。

振動問題について考える

ここで、二自由度の振動の運動方程式を考えてみましょう。

一般的に以下のように、行列を使えば一自由度の運動方程式のように表現することができます。


ここでは、簡単のため外力は考えず、減衰もない運動を考えます。
各行列は以下のようになります。(aとbは、振動する各質量とバネモデルだと思ってください。)




1自由度のように運動を考えると、各質量の運動は以下のように複素指数関数のように表せます。


なので、以下のようにかけます。



これを行列式に代入すれば、

更に、




とかけます!
以下のように、書いてもいいですね。(こちらの書き方の方がイメージしやすいかもしれません。[K]も[M]も、正方対称行列なことに注意!)


はい!なんということでしょう!!
正方対称行列の一般固有値問題じゃん!ということに気づきます。

なので、固有ベクトル{X}が2つ存在します。その固有ベクトルは、前々回に書いたように大きさがある比の形でしか決まりません。また、それぞれの固有ベクトルは直行しています。

これは、二自由度でなくて、N自由度でも同じです。

ここまでで、振動の運動方程式を展開すると、一般固有値問題になることが分かりました。が、それが物理的に意味すること。そして、我々への恩恵は何でしょうか?

次回は、もう少し踏み込んで、数学的な特徴と物理的な意味のつながりを考えたいと思います。

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