2016年7月18日月曜日

エンジニアのジレンマ 

10年後、生き残る理系の条件
竹内 健
朝日新聞出版 (2016-01-20)
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10年後、生き残る理系の条件
朝日新聞出版 (2016-02-29)
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イノベーションのジレンマで、クリステンセンは成功した企業ほど新たなイノベーションを成功させることが困難であることを述べました。
企業は新たな市場を創出することに失敗し、別の企業が作った市場に飲み込まれていってしまいます。


そういったビジネスの新陳代謝は、最近の日本メーカーに大打撃を与え、誰もがヒトゴトとしては考えられない時代になってきました。


そういったメーカーで働くエンジニア達は、ここまで不透明になった時代をどのように生きていけば良いのでしょうか?


エンジニアのキャリアを一緒に考え、確認していくのが本書です。
著者は、自身も東芝のエンジニアとして活躍しながら、アメリカでMBAを取得し、現在は大学教授として活躍する竹内氏です。


エンジニアのジレンマ


エンジニアは、一つの技術領域の専門性を高くすることが求められます。
しかし、産業の新陳代謝が早くなった今の時代では、それだけでは、新たな市場の登場に対応できない可能性があります。

会社のビジネスが突然成り立たなくなると同時に、エンジニアの仕事も存在しなくなる可能性があるということです。

ひとつの技術で成功している期間が長いほど、新たな技術領域の分野に転身することも非常に難しくなってしまいます。

これは、イノベーションのジレンマに習って、エンジニアのジレンマと言っても良いのではないでしょうか?


エンジニアのジレンマにどう対応するか?


このエンジニアのジレンマにどう対応するべきでしょうか?

恐らく一つの解はないと思いますが、いくつかヒントになることはあると思います。
個人的に、意識したいことをいくつか抜粋しました。

☆個人のスキルの伸ばし方
 ・T型人材
 ・階層的なスキル向上
 ・一つの分野を深く掘った後は、横にその穴をつなげていくことが重要
 ・自分の強みを抽象化する(隣の分野が分からないのはみんな同じ)
 (半導体の回路設計 → 
  電子回路、ストレージ → 
  自動車、医療機器への応用 データベースやデータセンタなどのサービス)
 ・技術を追っているだけでは勝つことができない
 ・マネタイズの視点をもち、ソフトとハードの両輪でソリューションを提案する
 ・課題解決の前に良質な情報のインプットを行うこと
 ・ロールモデルを探す
 ・シンプルなルール
  1.新たに挑戦したい分野の先駆者に聞く
  2.やると決めたら自分が挑戦することを周りの人に宣言する
  3.チャンスが来たら全力でやり遂げる
 ・人生は逆張り

☆組織と個人のあり方
 ・よい時代は長くは続かず、次の苦境に備える必要がある
 ・組織を飛び出す勇気も時には必要
 ・組織が不安定だからこそ活躍するチャンスが与えられることも
  (半導体のエンジニアはサービス企業に転身すればよい)
 ・異分野連携のキーパーソンはエンジニアだ
 ・ソフトとハードの最適化に成功するには、社内でバラバラのデータを統合・活用する必要がある 

☆その他
 ・転職の活動をするには、推薦者などが2〜3名必要となる
 ・大手企業の人事制度は国の制度とも連結し、実質空洞化している
  

エンジニアも変わりましょう♪

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