2012年8月6日月曜日

確かに。放射線科医はおもしろそうだ。


だから放射線科医はおもしろい! 電子書籍アプリ版 App
カテゴリ: ブック
価格: ¥1,000


健康で周りに病気の方もいなければ、”放射線科医って何?”という方もいそうだが、そういう人でも読める本です。

この本は以下のことを知るのに良い本です。

・放射線科医について
 放射線科医がドクターズドクターと呼ばれる理由。放射線科医を見直すのに非常に重要な本だと思います。また、日本の放射線科医の実情も分かります。

・米国の放射線科医の実態
 米国の遠隔画像診断の実態。また、年収1億円といわれる、米国の放射線科医事例を知るには、分かりやすい本だと思います。更に、遠隔画像診断の安全に関する取り組み” Patient Safety”に関する活動などは、多くの人が知りたいところだと思います。

・日本の遠隔画像診断の実情
 日本の遠隔画像診断でのリーディングカンパニーといわれている株式会社ドクターネットの創業をされた著者による日本の遠隔画像診断の実態を知ることができます。日本では、”放射線科医=勤務医”という常識だった時代に、変化をもたらしたようです。

・画像診断の国際化へ
 米国、日本という実情を読めば納得するように、今後は画像診断に対して、ひとつの大きな国際化の枠組みができていくであろうことが分かります。その辺りに関しても、簡単に言及されています。

 日本の医療崩壊に対する言及もされていますが、これに関しては本ブログで紹介した、改革のための医療経済学 Health Economics for Reform 兪 炳匡に詳しいです。

 
本書を読んでいると実感しますが、医療画像がデジタル化し、クラウド化が進むにつれ、遠隔画像診断により医療の世界が大きく変わっていることが分かります。

著者が提案する、”顧問医”の仕組みでは、早期診断できる状態を作りあげるのがひとつのキーだと思います。クラウド化や医療画像の標準化が進みつつある今では、今後より障害が少なく、なおかつ低コストで画像をとれるデバイスやモダリティの進化も重要となるのではないでしょうか?

体内の見えなかったものが、以前より低侵襲で簡単に見えるというのは、一人の健康だけでなく、社会システムも含めて大きな変化をもたらすことなのだと、改めて実感させられました。

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